業務上の傷病により医療機関を受診する際、医療費については、
労災保険により賄われます。この労災保険給付を
療養補償給付といいます。この場合、医療機関において、労災による受診である旨を申し出、健康保険の保険証を出さずに診察を受けることになります。
業務上の傷病に該当するかどうかのポイントついては、前回投稿記事「労災保険の休業補償給付について」にて説明したところですが、改めて、下記のとおり説明したいと思います。
①
負傷や疾病の原因が業務上であること
②
業務と疾病との間に一定の因果関係があること
前回投稿記事「労災保険の休業補償給付について」
療養補償給付の給付内容については、療養の給付と療養の費用の支給の2種類がありますが、違いについては、下記のとおりです。
①療養の給付について
労災病院や労災保険指定医療機関・薬局等(以降指定医療機関等)で、無料で治療や薬剤の支給などを受けられる現物給付となります。
②療養の費用の支給について
近くに指定医療機関等がない場合において、
指定医療機関等以外の医療機関や薬局等で療養を受けた場合に、医療機関にて療養費用を全額負担し、
その療養費用を支給する現金給付となります。
【参考資料】「療養(補償)等給付の請求手続 給付の内容」(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-02.pdf
療養補償給付の申請の流れについては、下記のとおりです。
①療養の給付を請求する場合
「療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書(様式第5号)(以降療養の給付請求書)」を、
受診等を受けた指定医療機関等を経由して、所轄の労働基準監督署に提出します。療養の給付請求書(様式第5号)は下記のページ(厚生労働省HP)からダウンロードが可能です。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/yoshiki05.pdf
厚生労働省労災保険相談ダイヤルに確認した際に、補足説明があったのですが、指定医療機関等によっては、療養の給付であっても、療養費用を一旦負担し、療養の給付請求書(様式第5号)の提出時に療養費用を返還することもあるとのことです。受診前に、療養費用の一時負担があるのかどうか、指定医療機関等に確認されたほうが良さそうです。
厚生労働省労災保険相談ダイヤル 電話番号 0570-006031
案内チラシ
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000170844.pdf
②療養の費用を請求する場合
まず、指定医療機関等以外の医療機関にて、
療養費用を一旦全額負担します。その後、
所轄の労働基準監督署に「療養補償給付及び複数及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書(様式第7号)(以降、療養の費用請求書)」を提出します。療養の費用請求書(様式第7号)は下記のページ(厚生労働省HP)からダウンロードが可能です。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/03.pdf
給付内容によっては、別の様式を使うことになります。給付内容、使う様式については下記のとおりです。
ア. 薬局から薬剤の支給を受けた場合
様式第7号(2)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/04.pdf
イ. 柔道整復師から手当を受けた場合
様式第7号(3)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/05.pdf
ウ. はり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師から手当を受けた場合
様式第7号(4)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/06.pdf
エ. 訪問看護事業者から訪問看護を受けた場合
様式第7号(5)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/dl/19.pdf
療養の給付請求書、療養の費用請求書の記載例
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-04.pdf
【参考資料】「療養(補償)等給付の請求手続 請求の手続き」(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-14-03.pdf
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